東海会の活動について
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支援活動報告
日本弁理士会東海会が各地で行った支援活動をご紹介しています。
2011/02/28
日本弁理士会東海支部主催「休日パテントセミナー2010in名古屋(第8回)」
1.日 時:平成23年1月22日(土)13:30~16:00
2.場 所:名古屋商工会議所ビル 3階第5会議室
3.名 称:日本弁理士会東海支部主催「休日パテントセミナー2010in名古屋(第8回)」
4.内 容:特許出願書類の書き方~特許請求の範囲編~
5.対 象:一般市民、企業関係者など71名
6.担当部署:日本弁理士会東海支部 知的財産権制度推進委員会
7.講 師:日本弁理士会東海支部 UR-10委員会 委員長 山田 強、委員 細井 祥全
8.コメント:
講義の前半を細井弁理士が担当し、講義の後半を山田弁理士が担当しました。
前半では、クレームについての基本的事項を説明しました(約45分)。具体的には、クレームの役割、クレームに必要な要件(新規性、進歩性等の特許要件や記載要件)、クレームの種類(独立項、従属項等)およびスタイル(ジェプソンタイプ等)、クレームを書くコツ(必要十分な要件を記載等)について解説しました。
後半では、前半の講義内容をふまえて、1つの事例を挙げて、クレームの作成および明細書の記載に至るまでを説明しました(約1時間15分)。具体的には、4つの特徴を包含する開発品について、「発明の抽出→権利範囲を定める→特許請求の範囲を定める→明細書を記載する」の手順に分け、「発明の抽出」では、発明の本質を追究し、「権利範囲を定める」際では、特許要件(特に先行文献)を考慮して権利範囲を決定し、「特許請求の範囲を定める」際では、記載要件を満たすように記載すること等を説明しました。
基礎的な内容の前半の講義時間を短めにし、事例を用いてのクレーム作成までの内容の後半の講義時間を長めに設定したことで、全体としてバランスの良い講義内容になったのではないかと思います。
講義全体において、メモをしている人が多く見られ、参加者の方々は熱心に聞いて下さいました。また、講義後の質問時間では、終了予定時刻をオーバーするぐらい質問があり、講義終了後も講義内容についての質問がありました。このことから、今回のテーマは、参加者にとって関心の高いものであったかと思います。
日本弁理士会東海支部 UR-10委員会
委員長 山田 強、委員 細井 祥全
2011/02/28
岐阜大学産官学融合本部主催「知的財産セミナープレ遊GO」
1.事業名:岐阜大学知的財産セミナープレ遊GO「事例に学ぶ知的財産権」
2.日 時:平成23年1月14日(金)16:30~17:30
3.場 所:岐阜大学産官学融合本部 1階ミーティングルーム
4.実施者:(主催・運営)岐阜大学産官学融合本部
5.内 容:「切餅ふっくらカット」特許侵害事件
6.対象者:岐阜大学産官学融合本部職員、一般企業関係者等、約18人
7.担当部署:日本弁理士会東海支部 教育機関支援機構
8.講 師:日本弁理士会東海支部 教育機関大学支援キャラバン隊 隊員 廣江 武典
9.コメント:
事例に学ぶ知的財産権というテーマで毎月開催されるセミナーにおいて、今回は、特許権侵害にあたるとして製品の販売の差止及び損害賠償を求めた事案について取り上げました。(東京地方裁判所 平成21年(ワ)第7718号 特許権侵害差止等請求事件 平成22年11月30日判決言渡)。
この事件は、ちょうど今の時期に食する餅に関するもので、被告の佐藤食品工業が販売する「サトウの切餅 パリッとスリット」は、原告の越後製菓(株)の特許権を侵害するとして、差止等を請求したものです。原告の特許権は、餅の側面に切込みを入れることで、餅を焼いたときに餅の上面が下面に対して持ち上がり、ふっくら焼けるものです。一方、被告の商品は、餅の側面に切込みを入れ、更に上面と下面にも切込みを入れることで、餅全体の焼き上がりの形がきれいになるというものでした。
しかし、原告の請求項の記載及び出願経過を参酌すると、権利範囲には餅の上面と下面に切込みを入れるものを除外するものと解釈できるため、裁判所は、餅の上面と下面に切込みを有する被告の製品は、原告の権利範囲に属さず、非侵害であると判断しました。
講義中には、「餅の側面に切込を入れただけで特許になるのか?原告の特許はそもそも無効理由を有しているのでは?」など受講者から質問が寄せられたので、次回は、出願経過を追いながら、この点について解説する予定です。
日本弁理士会東海支部 大学支援キャラバン隊
隊員 廣江 武典
2011/02/28
第3回「おもしろ科学教室」
1.日 時:平成23年1月10日(祝) 13:00~16:00
2.場 所:名古屋大学IB電子情報館中棟1階及び2階
3.名 称:第3回「おもしろ科学教室」
4.実施者:
(主催)応用物理学会東海支部、電気学会東海支部、電子情報通信学会東海支部、日本アマチュア無線東海地方本部、日本赤外線学会、日本物理学会名古屋支部、日本弁理士会東海支部、プラズマ・核融合学会、NPO法人アスクネット、名古屋大学、愛知県(順不同)
(後援)中日新聞、JSTイノベーションプラザ東海、NHK名古屋放送局
4.内 容:大講義室での電子紙芝居「発明・特許ってなあに」の実演及び講義室でのおもしろ科学工作教室「エレキ万華鏡」
5.対 象:(電子紙芝居)小中学生200名およびその保護者 (工作教室)小学生50名およびその保護者
6.担当部署:日本弁理士会東海支部 教育機関支援機構
7.講 師:東海支部教育機関支援キャラバン隊 隊員 生田 直子、臼井 孝尚、加藤 康幸、小林かおる、崎山 潤一、関根 由布、田中 敏博、藤谷 修、堀木 克志、山本 喜一
8.コメント
今年で3回目となる、おもしろ科学教室は、毎年募集と同時に満員になるという人気のイベントです。東海支部の教育機関支援機構は、第1回目から主催者として参加しています。おもしろ科学教室は、実験や体験を通じて科学技術の面白さや不思議さを子供達に実感させることで、夢と希望に満ちた次世代の科学技術の担い手を育てることを狙いの一つとしています。
前半の大講義室(大スクリーン付)では、プラズマ・核融合学会によるプラズマをテーマとした不思議で愉しい実演・講演会、お年玉抽選会が行われました。東海支部の教育機関支援機構は、これに引き続いて、電子紙芝居「パン職人レオ君物語」を実演しました。私たちは、ちょっとしたアイデアや一生懸命考えた工夫が簡単に真似されるとどうなるか、特許制度のお陰でアイデアや工夫が守られることを子供達に伝えました。マイクの調子や効果音の不具合等、若干滑り出しに不安がありましたが、電子紙芝居の実演中に子供達がざわつくことはありませんでしたので、きっと子供達は楽しんでくれたことだろうと思います。電子紙芝居の終了後に「シン君は何故レオ君のカレーパンを真似することができなかったと思いますか?」という質問をしたところ、沢山の子供達の手が一斉に上がり、そのうちの一人にマイクを近づけると「特許を取っていたから」と答えてくれました。
後半の講義室に移動しての工作では、各学会等が工作を実施しました。東海支部の教育機関支援機構では、光を分解する回折格子と色が変わるLEDとを用いてエレキ万華鏡を作りました。通常の万華鏡は鏡を使って作りますが、エレキ万華鏡は紙コップの中を夜の世界に見立てて色んな色の星が光る星空をイメージして作ります。子供達は、できあがると「スゲー」、「綺麗」といった言葉を発していました。「電池ボックスをコップに貼り付けると電池交換ができないから、両面テープをはがしちゃった」というように独自(?)の工夫をしている子供もいました。
私達弁理士も大講義室でのイベントや工作に熱中する子供達、各学会の先生方の取り組みを目の当たりにして、このイベントに参加できたことは非常に有意義で有難く、今後の知財関連活動に役立つものと思いました。
日本弁理士会東海支部 教育機関支援機構
機構長 小林 かおる