出願するにしても、特許あるいは実用新案として出願するか、また、意匠あるいは商標として出願するか、著作権として保護できないか、等を良く検討する必要があります。
そこで、これを見てください。このチャートは技術者、発明家、デザイナー、クリエイター、経営者等という職業別に、知的財産権の取得及び権利の活用について標準的なコースをご紹介しています。あなたの知的財産権のためにご利用下さい。
あなたが技術者や発明家で新製品を開発した場合、発明と呼べるほど斬新なアイデアであれば特許出願をしましょう。基本的な発明で長期に安定した権利が必要である場合やグローバルに権利を取得する必要がある場合は特許出願が適しています。特許出願は出願審査請求されたものについて審査官による方式・実体審査を経て権利設定され、特許権の存続期間は原則出願の日から20年間です。特許出願の前に先行技術を調査し、自分の発明について課題を解決する技術的特徴が何であるか、新規性や進歩性(特許要件)を備えているか等を検討します。
また、物品の形状、構造、組み合わせに関するもので新しさはあるが発明ほど高度なものではないときは実用新案登録出願をしましょう。ライフサイクルが短く早期権利化が必要で、低コストで権利化が必要な場合は、実用新案登録出願が適しています。実用新案登録出願は方式審査のみがなされ、実体審査なしで権利設定され、存続期間は出願の日から10年間です。権利行使が可能か否かは、評価書を請求すればわかります。
あなたがデザイナーで新しいデザインの商品を開発した場合は意匠登録出願をしましょう。物品の全体や一部、システムキッチン、パソコンシステム等のセット物に関する独自のデザインについて意匠登録が受けられます。意匠登録出願は審査官による審査を経て権利設定され、存続期間は設定登録した日から15年間です。
あなたが作家、画家、音楽家、コンピュータープログラマーその他のクリエイターで新製品につける名前や図形等のマークを創作したときは商標登録出願をしましょう。商標登録を受けるためには、他人のマークと区別できるものであることや、他人の登録商標と紛らわしくないものであること等の条件が必要であり、商標登録出願の前には他の登録商標等を調査し、同一類似の登録商標がないか確認することが大切です。商標登録出願は他社製品との区別を明確にするためのもので、商標権は存続期間が設定登録の日から10年であり、ただし、更新登録により半永久的に権利を保有できます。
また、あなたが新しい作品やゲームのプログラム等を創作した場合は創作時に著作権が発生します。創作日や著作者名等を予め文化庁等に登録しておくこともできます。
あなたが経営者で自社の新製品を模倣された場合、新製品に関する特許権や著作権等の知的財産権があれば、模倣に対して訴訟をおこすことができますし、訴訟の前に相手に警告して中止を要求することもできます。訴訟をおこすときは弁理士が代理人(弁護士との共同代理)あるいは補佐人として勝訴を勝ち取るためお手伝いします。
また、他人から権利侵害等の警告を受けた場合も弁理士にご相談下さい。弁理士はこれらの知的財産権についての専門家であり、アイデアに対するご相談から、調査、出願戦略の策定、出願手続の代理、権利活用等をお手伝いします。
日本弁理士会東海支部 静岡委員会
委員長 弁理士 石垣 達彦
委員長 弁理士 石垣 達彦