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新聞掲載記事

更新:2006/08/05

発明と考案

 特許権の対象が「発明」、実用新案権の対象が「考案」ですが、両者は基本的に同質のもので、「自然法則を利用した技術的思想の創作」とされています。違いは、発明には技術の「高度性」が要求され、考案は要求されないという点だけで、古くから考案は「小発明」ともいわれています。

 ここで、「自然法則」とは自然界の物理的、化学的、生物学的な原理などをいい、「技術」とは目的達成のための具体的手段で、誰が行っても同じ結果になる必要があります。そのため、人為的な取決めであるスポーツのルールや計算方法、商売のシステム、節税技術、あるいは人の特殊技能である演奏やスポーツ技術などは発明や考案とはいえません。

 なお、発明には物と方法の発明があり、プログラム等についても物としての特許権が認められます。一方、実用新案権として登録可能な考案は「物品の形状、構造又は組合せ」に限られ、方法については実用新案権は認められません。


弁理士 武石 裕美子