昨今、大学発知的財産が注目されており、その創造、保護及び活用が国家的に策定された知的財産推進計画のなかで推し進められています。
私たち弁理士は、あるときは企業サイド、またあるときは大学サイドに立って知的財産の現場で日々の仕事をいたしております。そうした中で、大学発の知的財産がこれまで十分に保護されていないのではないかという危惧を感じておりました。
そこで、知的財産を取り扱う専門家としての弁理士こそが大学のお役に立てるのではないかと考え、大学支援の有志を募り、大学キャラバン隊を結成いたしました。
2.大学キャラバン隊の活動方針
(1)出向きます。
⇒知的財産につきお困りの点、ご相談事項があればキャラバン隊が貴校まで出かけます。
(2)ボランティア活動です。
⇒弁理士には特許等の産業財産権を取得するため特許庁に対する手続を業として行うことについて専権が与えられています。この専権に見合う社会的貢献を為すべき使命を負っていると認識しています。この社会的貢献の一環として大学キャラバン隊を結成いたしました。
3.活動のポリシー
知的財産部を持たないような比較的小規模の大学を支援対象とします。(知的財産部を有する大学を支援対象から除外するわけではありません)。
教官や事務官に対する知的財産教育を中心に、大学における知的財産問題に対して広く相談窓口になれるようにします。但し、大学キャラバン隊として発明案件の個別相談は受けません。
4.活動の実績
上記の活動方針に基づき、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学、名古屋市立大学、名城大学、信州大学、日本福祉大学に対して各種の支援をして参りました。
その一例として豊橋技術科学大学における「知的財産セミナー」の例を紹介します。
日 時:平成16年11月24日(水)13時30分~15時30分
受講者:教職員及び学生 22名
場 所:豊橋技術科学大学 未来技術流動研究センタ 9階ゼミ室
5.おわりに
大学キャラバン隊は日本弁理士会東海支部の一機関として会務活動ですから、その活動を通して、頼れる大学キャラバン隊、頼れる日本弁理士会東海支部になりたいと思います。その結果、大学からみたとき知的財産に関してはやっぱり「弁理士さん」しかないという信頼関係構築の一助になれば幸甚です。
弁理士 小西 富雅