なぜインドネシアが「キラキラの国」と呼ばれるのか?
世界第4位の人口(東南アジアの4割超)を有し世界最大のイスラム人口を誇るインドネシア。国民の平均年齢は
29歳。2020年代にも人口3億人超えが予想され、2040年代まで人口ボーナスを享受できる。製造拠点そして消費
市場としても有望なフロンティア。さらには親日国であり、日本との時差も2時間遅れと少なく、日本企業の進出
先として魅力的な国のひとつとなっている。
しかし、このような理由で「キラキラ」と輝いている国…という訳ではない。
インドネシア語で【kira-kira(キラキラ)】は「およそ、だいたい」の意味。要は、良く言って「おおらか」、
見方を代えれば「いい加減」といったインドネシアの国民性を表している。そのため、時間や質の面で比較的にき
ちんとした仕事を志向する日本人にとっては戸惑う場面も多い。日本の過労問題を考えると、適度なキラキラも必
要ではあるのだが…。
それでは知財の面ではどうか。
勿論というべきか残念というべきかインドネシア知財もキラキラだ。法整備から制度運用、出願、審査、権利行
使、訴訟など、あらゆる場面でキラキラが顔を覗かせる。ここでは詳細を割愛するが、近年、業界を騒がせている
「未納特許年金問題」や「PPH(特許審査ハイウェイ)の審査遅延問題」のいずれも根本的な原因はキラキラであ
る。
だからと言ってインドネシアの知財を無視することはできない。インドネシアでは特に商標の出願件数が増加傾
向にあり、その中には、インドネシアに進出していない商品のネーミングやロゴを転売目的で先取りするケースや、
日本の地域ブランドを利用しようとするケースも含まれる。インターネットの浸透や、訪日観光客が日本の各地に
押し寄せるようになり、これまで日本国外に知られていなかった日本のヒット商品や地名・特産品が被害に遭う可
能性が高まっている。
日本と同様、インドネシアの商標も「早いもの勝ち」が原則だ。まずは商標登録しなければ、偽物に対して効果
的な対策を打つことができない。商標権を先に取られてしまった場合、インドネシアへ商品を輸出できなくなった
り、差し止めや損害賠償などの訴訟を提起されたりするおそれがある。現在インドネシアでのビジネスを展開・検
討中であれば勿論のこと、その可能性が少しでもあれば、とにかく早くインドネシアで商標権を取得することが重
要だ。
日本企業にはインドネシアでもっとキラキラと輝いてほしい。
弁理士 林 崇朗
世界第4位の人口(東南アジアの4割超)を有し世界最大のイスラム人口を誇るインドネシア。国民の平均年齢は
29歳。2020年代にも人口3億人超えが予想され、2040年代まで人口ボーナスを享受できる。製造拠点そして消費
市場としても有望なフロンティア。さらには親日国であり、日本との時差も2時間遅れと少なく、日本企業の進出
先として魅力的な国のひとつとなっている。
しかし、このような理由で「キラキラ」と輝いている国…という訳ではない。
インドネシア語で【kira-kira(キラキラ)】は「およそ、だいたい」の意味。要は、良く言って「おおらか」、
見方を代えれば「いい加減」といったインドネシアの国民性を表している。そのため、時間や質の面で比較的にき
ちんとした仕事を志向する日本人にとっては戸惑う場面も多い。日本の過労問題を考えると、適度なキラキラも必
要ではあるのだが…。
それでは知財の面ではどうか。
勿論というべきか残念というべきかインドネシア知財もキラキラだ。法整備から制度運用、出願、審査、権利行
使、訴訟など、あらゆる場面でキラキラが顔を覗かせる。ここでは詳細を割愛するが、近年、業界を騒がせている
「未納特許年金問題」や「PPH(特許審査ハイウェイ)の審査遅延問題」のいずれも根本的な原因はキラキラであ
る。
だからと言ってインドネシアの知財を無視することはできない。インドネシアでは特に商標の出願件数が増加傾
向にあり、その中には、インドネシアに進出していない商品のネーミングやロゴを転売目的で先取りするケースや、
日本の地域ブランドを利用しようとするケースも含まれる。インターネットの浸透や、訪日観光客が日本の各地に
押し寄せるようになり、これまで日本国外に知られていなかった日本のヒット商品や地名・特産品が被害に遭う可
能性が高まっている。
日本と同様、インドネシアの商標も「早いもの勝ち」が原則だ。まずは商標登録しなければ、偽物に対して効果
的な対策を打つことができない。商標権を先に取られてしまった場合、インドネシアへ商品を輸出できなくなった
り、差し止めや損害賠償などの訴訟を提起されたりするおそれがある。現在インドネシアでのビジネスを展開・検
討中であれば勿論のこと、その可能性が少しでもあれば、とにかく早くインドネシアで商標権を取得することが重
要だ。
日本企業にはインドネシアでもっとキラキラと輝いてほしい。
弁理士 林 崇朗