1.はじめに
日本弁理士会は、本年4月1日に、知的財産経営センターを設立した。
このセンターは、運営委員総数170名以上の日本弁理士会最大附属機関である。知的財産の客観的価値評価
を行う知的財産価値評価事業本部、知財コンサルの研修・研究を行う知的財産コンサルティング事業本部、知財
の流通流動等を手掛ける知的財産活用事業本部、中小企業への無料訪問型コンサルを実行するキャラバン事業本
部を傘下に収めている。また、各事業を連係させ、企業の知財経営の現場で、知財マネージメントに係る様々な
オプションを提起することも目指している。日本弁理士会の知財経営分野での中核基地又は前線基地である。
2.設立の趣旨
我が国産業の底上げ化・国際化への対応のため、中小企業、ベンチャー企業における知財の活用が大きな課題
として挙げられ、これと関連して、知的財産を経営戦略に位置付けるという「知財経営」の概念が急速に普及し
てきている。
特許庁、経産省、中小企業庁などでは、産業活性化として知財経営の支援を軸とする種々の中小企業への直接
支援策を行っている(新輸出大国コンソーシアム、経営サポート「知的財産支援」等)。その他にも、中小企業基
盤整備機構での知財経営に資する事業など、周囲環境は知財経営の概念を軸として、多様な支援活動を行ってい
る。これらは、いずれも、中小企業を直接的に支援するものである。この状況下にあって、日本弁理士会は、経
営の現場に密着した企業支援を、従来に比してさらに強力かつ効率的に推進すべしとして、知財経営センターを
設置した。
知的財産推進計画2016で、知的財産とビジネスの両方の視点に立って中小・ベンチャー企業の知財戦略構
築を支援できる弁理士の育成の強化が謳われていたことも、考慮すべきことであった。
3.知財経営センターの主な事業
(イ)知財の価値評価
特許の金銭的価値は、幾らか?
この価値評価は、実施契約、権利侵害、知財譲渡、知財金融、資産評価など、様々な局面で重要となる。裁判
所からの評価依頼対応、価値評価についての具体的評価、評価の研究、知財ビジネス評価書の作成など、知財価
値評価業務をさらに活性化させ、知財経営の現場で、価値評価手法を活かしたい。また、企業からの価値評価に
ついての支援要請に積極的に対応したい。
(ロ)知財経営コンサルティング
弁理士は、単に出願業務だけではなく、知財経営の分野でも、企業をサポートしたいと考えている。
経営的視野で知財を観るための、研鑽・研究を重ね、人材を育成している。コンサルティング能力のある弁理
士を、キャラバン事業などを通じて、企業に派遣し、中小企業を支援したい。
(ハ)キャラバン事業
企業に金銭的負担をかけることなく、三回までの訪問型知財コンサルを行う事業を、一昨年から行っている。
現在350社のコンサル実績がある。センターの事業として定着化したい。
(ニ)知財の流通
オープン&クローズ戦略の要に、知財の流通がある。出願代理を行っている弁理士相互の橋渡しを通じて、円
滑な知財の流通を実現しようとしている。
(ホ)その他の知財の活用
知財を活用している企業や自治体を顕彰する知的財産活用表彰を行っている。その他、知財をあらゆる側面か
ら活用するために、様々な事業を創出しようとしている。
このように、知的財産経営センターは、ベンチャー・中小企業の皆様方からの、様々なご要望に積極的に対応
していきたいと考えている。
日本弁理士会 知的財産経営センター長
弁理士 松浦 喜多男
日本弁理士会は、本年4月1日に、知的財産経営センターを設立した。
このセンターは、運営委員総数170名以上の日本弁理士会最大附属機関である。知的財産の客観的価値評価
を行う知的財産価値評価事業本部、知財コンサルの研修・研究を行う知的財産コンサルティング事業本部、知財
の流通流動等を手掛ける知的財産活用事業本部、中小企業への無料訪問型コンサルを実行するキャラバン事業本
部を傘下に収めている。また、各事業を連係させ、企業の知財経営の現場で、知財マネージメントに係る様々な
オプションを提起することも目指している。日本弁理士会の知財経営分野での中核基地又は前線基地である。
2.設立の趣旨
我が国産業の底上げ化・国際化への対応のため、中小企業、ベンチャー企業における知財の活用が大きな課題
として挙げられ、これと関連して、知的財産を経営戦略に位置付けるという「知財経営」の概念が急速に普及し
てきている。
特許庁、経産省、中小企業庁などでは、産業活性化として知財経営の支援を軸とする種々の中小企業への直接
支援策を行っている(新輸出大国コンソーシアム、経営サポート「知的財産支援」等)。その他にも、中小企業基
盤整備機構での知財経営に資する事業など、周囲環境は知財経営の概念を軸として、多様な支援活動を行ってい
る。これらは、いずれも、中小企業を直接的に支援するものである。この状況下にあって、日本弁理士会は、経
営の現場に密着した企業支援を、従来に比してさらに強力かつ効率的に推進すべしとして、知財経営センターを
設置した。
知的財産推進計画2016で、知的財産とビジネスの両方の視点に立って中小・ベンチャー企業の知財戦略構
築を支援できる弁理士の育成の強化が謳われていたことも、考慮すべきことであった。
3.知財経営センターの主な事業
(イ)知財の価値評価
特許の金銭的価値は、幾らか?
この価値評価は、実施契約、権利侵害、知財譲渡、知財金融、資産評価など、様々な局面で重要となる。裁判
所からの評価依頼対応、価値評価についての具体的評価、評価の研究、知財ビジネス評価書の作成など、知財価
値評価業務をさらに活性化させ、知財経営の現場で、価値評価手法を活かしたい。また、企業からの価値評価に
ついての支援要請に積極的に対応したい。
(ロ)知財経営コンサルティング
弁理士は、単に出願業務だけではなく、知財経営の分野でも、企業をサポートしたいと考えている。
経営的視野で知財を観るための、研鑽・研究を重ね、人材を育成している。コンサルティング能力のある弁理
士を、キャラバン事業などを通じて、企業に派遣し、中小企業を支援したい。
(ハ)キャラバン事業
企業に金銭的負担をかけることなく、三回までの訪問型知財コンサルを行う事業を、一昨年から行っている。
現在350社のコンサル実績がある。センターの事業として定着化したい。
(ニ)知財の流通
オープン&クローズ戦略の要に、知財の流通がある。出願代理を行っている弁理士相互の橋渡しを通じて、円
滑な知財の流通を実現しようとしている。
(ホ)その他の知財の活用
知財を活用している企業や自治体を顕彰する知的財産活用表彰を行っている。その他、知財をあらゆる側面か
ら活用するために、様々な事業を創出しようとしている。
このように、知的財産経営センターは、ベンチャー・中小企業の皆様方からの、様々なご要望に積極的に対応
していきたいと考えている。
日本弁理士会 知的財産経営センター長
弁理士 松浦 喜多男