東海会の活動について

新聞掲載記事

更新:2016/05/31

知財コストを削減

   私達弁理士は、特許権/実用新案権/意匠権/商標権をはじめとする知的財産権の取得、活用のお手伝いをし
  ています。
   特許権は高度な技術的工夫である発明を保護するための権利、実用新案権は技術的工夫である考案を保護する
  ための権利、意匠権は工業デザインを保護するための権利、商標権は営業活動における標識を保護するための権
  利です。
   これらの権利を取得するためには、例えば特許権の場合、出願、審査請求、審査、特許料納付といった特許庁
  に対する種々の手続きが必要となり、次の1~4に挙げるように、少なくとも総額40万円程の費用が必要となり
  ます。

   1 弁理士に支払う出願代理の手数料:例えば約25万円程度(内容による)
   2 特許庁に支払う出願の印紙代:1.4万円
   3 特許庁に支払う審査請求の印紙代:12.2万円~
   4 特許庁に支払う特許料(1~3年分):約0.7万円~

   このように、特許権等の取得には高額な費用が必要となるため、個人や中小企業の経営者にはハードルが高い
  と思われがちです。しかし、個人や中小企業者であれば、各種の団体が実施している減免制度と補助金制度を活
  用することで、特許権等の取得にかかる費用を軽減できる可能性があります。
   例えば特許庁は、個人や中小企業者等を対象として「3 審査請求の手数料」および「4 特許料」について免除
  ~半額免除を行う「特許料等の減免制度」を設けています。
   また、日本弁理士会や一部の地方自治体は、中小企業者等を対象として「1 出願代理の手数料」~「4 特許料」
  の費用を補助する制度を設けています。別表に愛知県の対象者が利用できる補助金制度の一例を記載します。
   各制度の詳細は各団体のホームページで確認できます。各制度には、募集期間が決められているものもあるた
  め注意が必要です。日本弁理士会東海支部では、平日の13時~16時の間、名古屋商工会議所ビル8階において弁
  理士による無料の知的財産相談を実施しています。知的財産相談では、上述した各制度についての相談のほか、
  知的財産に関することであれば国内外問わず何でも相談できます(電話:052-211-3110)。
   特許権/実用新案権/意匠権/商標権をはじめとする知的財産権は、製品を支える技術やデザイン、ブランド
  を識別する商標などを守るための武器となります。この機会に是非一度、知的財産権について考えてみては如何
  でしょうか。

                                           弁理士 板倉 幸恵

【別表】補助金制度の一例 【別表】補助金制度の一例