東海会の活動について

新聞掲載記事

更新:2016/05/31

身近な権利侵害

   映像や写真をデジタルで管理するようになり、個人でも複製や加工が簡単にできるようになりました。これは
  特別な機械を準備できない小規模事業者にとっては、事業を展開する上で大きなメリットです。
   一方で気がつかないところで他人の権利を侵害してしまうリスクがあります。映画やテレビ番組などの動画を
  違法にコピーして販売すれば著作権侵害となることはわかることですが、場合によっては違法かどうかの判断が
  微妙なケースもあります。
   例えば、漫画のキャラクターをまねした場合、そのコンセプトやアイデア自体が保護されるわけではないもの
  の、コンセプトをまねすることで、結果として成果物が著作権侵害になってしまうといったことも起こり得ます。
  またクラウドの記憶領域を個人のデータバックアップに使っていたとしても、ファイル交換により第三者がダウ
  ンロードできる状態にあれば、著作権侵害となってしまい、損害賠償請求をされてしまう場合もあります。
   さらに、インターネットでは、日本国内のサイトも海外のサイトも意識せずに使えることから侵害が海外のサ
  ーバで行われることも珍しくありません。
   このように身近な権利侵害が海外に広がるリスクもあり、弁理士などの専門家によく確認してから事業を展開
  する必要があります。

                                           弁理士 水野 健司