日本弁理士会東海支部では、毎年1月~2月くらいに、「支部開設日記念知的財産セミナー」を開催しており、
当セミナーは、東海地区で有数の知的財産セミナーとして知られております。
本年は、平成28年2月4日に、「日本の産業を牽引する自動車産業における先端技術とそれを支える知的財
産戦略」をテーマとして開催しました。東海地方を代表する世界的企業であるトヨタ自動車株式会社、株式会社
デンソーの各社において技術開発、知的財産保護・活用に実際に携わっている方々を講師にお招きし、現在の自
動車産業で実際に用いられている最先端技術や未来の技術、これらに関する知的財産の保護および活用の戦略に
ついて、様々な具体的事例を交えてご紹介いただきました。
1.第1部「安全運転を支えるセンシング技術」
第1部では、株式会社デンソーADAS推進部部長である松ヶ谷和沖氏より、安全運転を支えるセンシング技
術についてご紹介いただきました。例えば、高度運転支援や自動運転を実現するために車両内にどのようなセン
サが搭載されるのか、これらのセンサは走行中にどのようなセンシングを行うのか、自動運転はどのような様子
なのか、といったことを実際の撮影映像などを交えながらご説明いただきました。技術者は勿論のこと、普段は
技術に馴染みのない一般参加者でも分かりやすい形でご紹介いただき、聴講者は日本の最先端技術がどのような
ものなのかをリアルに知ることができたように感じます。
2.第2部「デンソーの知的財産戦略」
第2部では、株式会社デンソー知的財産部第1知財戦略室長である山中昭利氏より、デンソーの知的財産戦略
についてご紹介いただきました。広範な技術分野において膨大な種類の製品を製造・販売しているという特有の
事業形態の中で、どのような考え方で知財マネジメントを行っているのかをご説明いただきました。自動車分野
において規格・標準化が進んでいるという事情がある中での部品サプライヤとしての知財活動(方向性)につい
て、社内体制などの具体的事例を交えながらご紹介いただき、特に、企業で知財活動を行っている者にとって非
常に興味深い内容が随所に盛り込まれていた貴重な講演でした。
3.第3部「トヨタ自動車の知的財産活動」
第3部では、トヨタ自動車株式会社知的財産部企画統括室長である飯田陽介氏より、自動車産業を取り巻く環
境変化の中で行われている「事業戦略、開発戦略との一体化を目指した知的財産活動」について、具体的にご説
明いただきました。また、トヨタ自動車株式会社に関連するニュースとして「燃料電池車に関連する特許の実施
権を無償で提供する」というニュースが話題になっていますが、講演では、無償開放の考え方についてもご説明
いただきました。日本だけでなく、世界中で注目されている権利の扱いについて、実際に権利管理に携わってい
る方の声を聴くことができ、非常に有意義な講演でした。
3.第4部「燃料電池自動車MIRAIの開発及び水素社会実現に向けて」
第4部では、トヨタ自動車株式会社FCV技術・開発部プロジェクト推進グループ主幹の真鍋晃太氏により、
燃料電池自動車「MIRAI」についての開発秘話、全国発明表彰「恩賜発明賞」を受賞した燃料電池関連発明
などについて、絵や動画などを交えて分かりやすくご紹介いただきました。一般の人がこのような注目度の高い
製品の開発者から生の声を聴くことができる機会はあまりありません。多くの聴講者が、「MIRAI」に搭載
された最先端技術の一端を垣間見ることができ、水素社会というものを身近に感じることができたように思いま
す。
知的財産権制度推進委員会 弁理士 鈴木 和政
当セミナーは、東海地区で有数の知的財産セミナーとして知られております。
本年は、平成28年2月4日に、「日本の産業を牽引する自動車産業における先端技術とそれを支える知的財
産戦略」をテーマとして開催しました。東海地方を代表する世界的企業であるトヨタ自動車株式会社、株式会社
デンソーの各社において技術開発、知的財産保護・活用に実際に携わっている方々を講師にお招きし、現在の自
動車産業で実際に用いられている最先端技術や未来の技術、これらに関する知的財産の保護および活用の戦略に
ついて、様々な具体的事例を交えてご紹介いただきました。
1.第1部「安全運転を支えるセンシング技術」
第1部では、株式会社デンソーADAS推進部部長である松ヶ谷和沖氏より、安全運転を支えるセンシング技
術についてご紹介いただきました。例えば、高度運転支援や自動運転を実現するために車両内にどのようなセン
サが搭載されるのか、これらのセンサは走行中にどのようなセンシングを行うのか、自動運転はどのような様子
なのか、といったことを実際の撮影映像などを交えながらご説明いただきました。技術者は勿論のこと、普段は
技術に馴染みのない一般参加者でも分かりやすい形でご紹介いただき、聴講者は日本の最先端技術がどのような
ものなのかをリアルに知ることができたように感じます。
2.第2部「デンソーの知的財産戦略」
第2部では、株式会社デンソー知的財産部第1知財戦略室長である山中昭利氏より、デンソーの知的財産戦略
についてご紹介いただきました。広範な技術分野において膨大な種類の製品を製造・販売しているという特有の
事業形態の中で、どのような考え方で知財マネジメントを行っているのかをご説明いただきました。自動車分野
において規格・標準化が進んでいるという事情がある中での部品サプライヤとしての知財活動(方向性)につい
て、社内体制などの具体的事例を交えながらご紹介いただき、特に、企業で知財活動を行っている者にとって非
常に興味深い内容が随所に盛り込まれていた貴重な講演でした。
3.第3部「トヨタ自動車の知的財産活動」
第3部では、トヨタ自動車株式会社知的財産部企画統括室長である飯田陽介氏より、自動車産業を取り巻く環
境変化の中で行われている「事業戦略、開発戦略との一体化を目指した知的財産活動」について、具体的にご説
明いただきました。また、トヨタ自動車株式会社に関連するニュースとして「燃料電池車に関連する特許の実施
権を無償で提供する」というニュースが話題になっていますが、講演では、無償開放の考え方についてもご説明
いただきました。日本だけでなく、世界中で注目されている権利の扱いについて、実際に権利管理に携わってい
る方の声を聴くことができ、非常に有意義な講演でした。
3.第4部「燃料電池自動車MIRAIの開発及び水素社会実現に向けて」
第4部では、トヨタ自動車株式会社FCV技術・開発部プロジェクト推進グループ主幹の真鍋晃太氏により、
燃料電池自動車「MIRAI」についての開発秘話、全国発明表彰「恩賜発明賞」を受賞した燃料電池関連発明
などについて、絵や動画などを交えて分かりやすくご紹介いただきました。一般の人がこのような注目度の高い
製品の開発者から生の声を聴くことができる機会はあまりありません。多くの聴講者が、「MIRAI」に搭載
された最先端技術の一端を垣間見ることができ、水素社会というものを身近に感じることができたように思いま
す。
知的財産権制度推進委員会 弁理士 鈴木 和政