私は名古屋工業大学の建築学教員として建築分野の知的財産活動について研究しています。最近、建設業界が
比較的に知的財産紛争の少ない穏やかな業界だと感じるようになりました。
特許をはじめとする知的財産の活動は、その企業によって傾向が異なることはもちろん、その業界によって傾
向が異なるものです。例えば、出願が活発でない業界、知財紛争が絶えない業界、ライセンス活動が活発な業界
などがあります。
建設業界が穏やかであるのは、「(1)工事の「方法」に関する発明が多いので、外部から実施の有無が分か
りにくい。(2)大きな建設現場では共同企業体(ジョイントベンチャー)を立ち上げるなど、企業の壁を超え
て協力する風土がある。」ためだと考えます。
穏やかな業界は、紛争処理の負担が小さくなる良さがある反面、競争の機会が少なくなり、技術が停滞しやす
くなる問題があります。そこで、発明の実施を見える化し、有償で特許を相互利用できる仕組みを作るなど、協
力する風土を残しつつ技術競争が行える仕組みを業界として整備すべきと考えます。
グローバル化が進む昨今、国際競争力を高めるためにも、特許制度を積極的に活用し、より一層の産業発達を
遂げたいものです。
弁理士 伊藤 洋介
比較的に知的財産紛争の少ない穏やかな業界だと感じるようになりました。
特許をはじめとする知的財産の活動は、その企業によって傾向が異なることはもちろん、その業界によって傾
向が異なるものです。例えば、出願が活発でない業界、知財紛争が絶えない業界、ライセンス活動が活発な業界
などがあります。
建設業界が穏やかであるのは、「(1)工事の「方法」に関する発明が多いので、外部から実施の有無が分か
りにくい。(2)大きな建設現場では共同企業体(ジョイントベンチャー)を立ち上げるなど、企業の壁を超え
て協力する風土がある。」ためだと考えます。
穏やかな業界は、紛争処理の負担が小さくなる良さがある反面、競争の機会が少なくなり、技術が停滞しやす
くなる問題があります。そこで、発明の実施を見える化し、有償で特許を相互利用できる仕組みを作るなど、協
力する風土を残しつつ技術競争が行える仕組みを業界として整備すべきと考えます。
グローバル化が進む昨今、国際競争力を高めるためにも、特許制度を積極的に活用し、より一層の産業発達を
遂げたいものです。
弁理士 伊藤 洋介