東海会の活動について

新聞掲載記事

更新:2015/05/29

先行技術調査と発明「愛」

   「先行技術調査」をご存じですか? 先行技術調査は、自分が創作した発明と同一の発明を他人が先に出願し
  ていないか調べるものです。
   特許相談を受けていると、発明者は、ご自分の発明を「愛している」のだなと思います。一方私は、特許出願
  の相談を受けるとき、先行技術調査を必ずお勧めしています。出願前にすでに同一発明が出願されていると特許
  がとれないからです。
   しかし、ここで時々困ったことが発生します。調査をお勧めすると、「愛」が強い方は、(調査など)「必要
  ない!」とか、「周りで同じものを見たことがない!」と思われるようなのです。
   正直に申します。このような場合、経験的にみて、先行技術が存在していることが結構多いのです。「愛」は
  「主観的」なものですが、「特許」は「客観的」なものなので冷静さが必要ですが、愛が強いゆえに冷静さが少
  し足りなくなってしまうからなのかもしれません。
   特許出願費用は、先行技術調査の費用の数倍です。出願の時に先行技術調査をすれば、一定程度、無駄な出願
  を抑えられます。特許出願の際には必ず先行技術調査を行って無駄な出願を抑え、トータルでの出願費用を抑え
  てより確実な特許権の取得をめざしてください。

                                            弁理士 蛸井 経一郎