東海会の活動について

新聞掲載記事

更新:2015/04/30

新しいって?

   新しいってどういうことでしょう?国語辞典には「今までになかったさま」と記載されています。この解釈は
  なかなか難しいですね。そもそも存在していなかったものは新しいでしょう。世の中には知られていても、自
  分が知らないことって本当にたくさんあります。世の中には存在していたけれども、人間には知られていないこ
  ともたくさんありますね。
   特許法では、特許を取るための一つの要件として、「新規性」、つまり「新しいこと」である必要があります。
  特許でいう新しいこととは、大雑把に言えば、世の中の誰にも知られていなかったこと、または知られる可能性
  すらなかったことを言います。小さな図書館の誰も見たことのないような本の片隅に書いてあっただけでも、外
  国で誰かが知っていただけでも新しくありませんので、特許は取れません。
   研究者、開発者にしてみれば、「そんな本は誰も見ていない。こんなに効果の高い製品を広く一般に使えるよ
  うにしたんだから新しい。特許を取りたい。」と考えるのが普通でしょう。自分自身も最初はそこで混乱しまし
  た。新しいことのとらえ方のズレが、時に特許や知財部への不満につながることもあります。
   しかしあきらめるのは早いです。様々な方法を駆使して事業を守るのが、知財部であり、弁理士です。便利に
  ご利用ください。ここが知財部、弁理士の腕のみせどころです。

                                            弁理士 青木 祐治