科学体験イベント「なごやサイエンスひろば」が先端技術連携リサーチセンター(名古屋市守山区)で毎年夏に開催されます。そして日本弁理士会東海支部は、今年も中部経済産業局主催の「サイエンスショー」に協力する形で“自然科学体験”と題した工作ブースを開設しました。
今年は、合計4種の工作(午前:ストローパンパイプ、キラキラ分光器、午後:ストロー飛行機、CDホバークラフト)を実施し、さらに知的財産権のパネルを教室外で展示、弁理士の仕事に関する映像を教室内で放映しました。
ストローパンパイプは、長さの違う管を8本並べた楽器で、管の中の空気を振動させて音を出します。本物は葦という植物の茎で作るらしいのですが、今回は8本のストローを台紙に固定したものを作成しました。そして長さを変える代わりに各ストローの中に丸めた粘土を入れて栓にします(この栓の位置により出る音が決まります)。実のところこのストローパンパイプ、良い音を出すのには相当訓練が必要であり、子供たちには不評なのではと心配していました。しかし実際には子供たちに大変好評であり、カラフルな粘土を丸めたり台紙に絵を描いたりなど、見ていてとても楽しそうに作業していました。また親御さんにも人気があり、お子さんと並んで作りたいとのご要望もたくさんありました。
またキラキラ分光器は、ホログラムシート(回折格子シート)で光が虹色に分かれた状態を観察する玩具です。今回は、身近なスナック菓子の空箱(円筒とその蓋)を使って分光器を作成しました。作り方は簡単で、筒の底部に貫通孔をあけてホログラムシートを貼るとともに、特定の形状の孔(貫通孔)を蓋にあけます。そして筒に蓋を被せたのち、ホログラムシート側から筒の中をのぞくと、蓋側に虹色の模様(孔の形をした模様)が見えます。この工作、見た目は地味ですが、中をのぞくと虹色のキラキラした模様が見えるため男女とわず好評でした。また孔の形を、スリット形状、十字型、ハート型、星形、ウサギの顔にするなど、来場者の皆さんの創意工夫がみられる工作でした。
またストロー飛行機は、リング状の翼を持つ飛行機の玩具で、リング周囲の空気がスムーズに流れるなどして滑るように飛びます。今回は、大小2つの厚紙製の円筒(リング)を二本のストローで連結して作成しました。そして小さな円筒の方におもりを付けるとよく飛びます。この工作は、予想通りというか男の子に人気があり、また作り方も簡単でしたので、多くのお子さんに楽しんで作っていただけました。なお活発な男の子が飽きて遊びに行ってしまい、残ったお父さんが一人で作っていたという場面もありました。そしてストロー飛行機については野外で体験ショーを開催しました。当日は真夏日で大変暑かったのですが、自分で作った飛行機を何度も飛ばすお子さんもいました。
またCDホバークラフトは、船体(CD)を空気の力で浮かせる乗物の玩具です。作り方は、貫通孔を開けた醤油差しをCDの中心孔に取付けたのち、この醤油差しに膨らませた風船を被せます。そしてCDを床等においた状態で押すと、CDが空気の力で浮きながら(床面との摩擦を小さくしながら)滑るように移動します。見た目がユニークでインパクトがあったため大好評でした。試作段階ではなかなか思うように滑らなかったのですが、醤油差しの貫通孔を大きくしたり風船の大きさを調節したりするなどの工夫で、当日は、うまく滑る玩具を作ることができました。
そして今回は、知的財産権のパネルに興味をもたれた来場者が大勢いらっしゃいました。これらの方には、パネル内容や知的財産について説明をし、またヒット商品を支える知的財産権のブックレットも配布しました。これにより多くの皆様に、弁理士という職業や知的財産制度についてPRできたものと考えます。
日本弁理士会東海支部 UR-10委員会
委員長 弁理士 太田 直矢