「弁理士の日記念フェスタ2013」。日本弁理士会東海支部が、「弁理士の日(7月1日)」を記念して、毎年、開催しているイベントだ。今年は、去る7月6日(土)に、イオンモール名古屋みなと1階ワールドコートで開催した。プリマベーラによるマジックショー&知的財産クイズ、そして、自然科学体験できる工作教室、発明の絵のコンテストなどの主として子ども向けのイベントと、「ヒット商品を支えた知的財産権」のパネル展示や知的財産相談会などの大人向けのイベントが、同じ会場で行われる。このような形をとった背景には、子ども達には、楽しみながら知的財産に触れるきっかけを持ってもらい、大人達には、子ども達とともにイベントを楽しみつつ、より深く知的財産に興味を持ってもらいたいという狙いがある。
プリマベーラに出演いただくのは、今年で3回目だ。彼女達のステージは、いつも記念フェスタに華を添えてくれる。吹き抜けの会場なので、ショータイムには、ステージ前だけでなく、2階、3階から見下ろす観客も大勢いる。上からの観客は、なんとかマジックのタネをあばこうという下心を持っていたかも知れない。だが、無駄だ。どこから見ても、分からない。彼女達自身がイリュージョンとしか思えないのだ。来年も、もし出演いただけるようなら、是非、皆さんご自身で、そのイリュージョンを体感して欲しい。
マジックの後は、プリマベーラと一緒に楽しむ知的財産クイズ。今年新たに加えた企画である。当会の弁理士が考えた○×問題に、子どもたちにチャレンジしてもらった。難しいだろうと予想していた問題が全員正解だったり、比較的簡単だろうと予想していた問題の正解者が予想以上に少なかったり、と先が読めない展開に、当会担当者もハラハラしながら見守っていた。会場の周囲で応援する親御さん方は、クイズに参加している子どもたちの強力な(?)助っ人だ。親のサインにうなずいて、○×を回答する子どもたちもいる。それでも、正解できるとは限らない。知的財産クイズは、親御さん方にとっても難問だったようである。数問の短いクイズではあったが、親子の絆を深めながら、楽しんでいただけたのではなかろうか。
ステージの合間には、ベンハムのコマ、カレイドサイクル、キラキラ分光器という3種類の工作を通じて、子どもたちに、自然科学を体験してもらった。ベンハムのコマは、ご存じの方も多いかも知れない。白黒で模様が描かれたコマを回転させると、様々な色の模様が見えるという、あれだ。カレイドサイクルというのは、連続的に模様が変化していく紙製万華鏡とでもいう工作だ。キラキラ分光器は、ホログラムシートを利用したおもちゃで、穴からのぞき込むと、虹色の光が見えるという物である。どの工作も、15分程度でできる簡単なものだ。希望する子ども、一人一人に、当会の弁理士が付き添い、作り方を教えたり、手伝ったりしながら一緒に作り上げていく。完成したときの子ども達の笑顔が嬉しい。こんな素朴な工作でも、遊んでいる子ども達に、「なぜ?」という疑問が少しでも芽生えるきっかけになれば、と願っている。
今回、初めて行った発明の絵画の公募も好評だった。「こんな物あったらいいな」という子ども達のアイディアを会場で自由に描いてもらった。その発想の豊かさには、見ていて感心させられる。子どもらしい微笑ましい作品や、なるほどと納得させられる作品など、数多くの応募をいただいた。発明の絵画なので、アイディア面と絵としての出来の両面で審査をした結果、7点の作品が受賞した。作品は、当会のホームページに掲載されているので、是非、ご覧いただきたい。
弁理士の日記念フェスタは、弁理士や知的財産制度のことを広く市民の方に知っていただくためのイベントである。ショッピングモールで行っているのは、普段、弁理士や知的財産制度に触れる機会がない方も対象にした行事にしたいからだ。今回も、大勢の方に来場いただいた。偶然、通りがかり、イベントに参加した方も多く見えるだろう。
本年の開催は、七夕前日だった。このイベントに参加した方が、少しでも、「弁理士」や「知的財産」のことを記憶にとどめてくださいますように!たんざくに、そう願いを書き込み、今年のイベントを終えた。
日本弁理士会東海支部 知的財産権制度推進委員会
委員長 弁理士 加藤 光宏