少し前、日本でアップルVSサムスンの判決が出ました。サムスンの勝ちという結果でした。これを受け、ネット上では「似ているよ。米国では侵害だったよ。」というコメントで溢れ返っていました。確かに日本の判決は米国の判決と違っていましたが、実は矛盾している訳ではないのです。
同じ製品について、複数の特許権に関わる技術が用いられている場合があります。同じ技術であっても国によって取得できた特許権の内容が異なることもあります。その場合、同じ製品を対象とした訴訟でも、訴訟対象となる特許権の内容が異なっていることがあるのです。同じアップルVSサムスンの判決なので、矛盾しているように感じてしまいますが、こうした背景があるため結論が違ってくるのです。
まだ両企業間でさらに異なる権利に関して複数の裁判が進行中です。今回はサムスンの勝ちでしたが、次はアップルが勝つかもしれません。再度サムスンが勝つかもしれません。今後の判決が楽しみですね。
弁理士 三浦 高広