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新聞掲載記事

更新:2012/09/28

著名商標の保護

 登録商標の効力は原則としてその商標と同一及び類似する商標について指定商品(又は役務)と同一又は類似の範囲に及ぶ。これは逆にいえば類似していない商品等について効力が及ばないということになるわけである。しかし、非常に著名な商標、例えば「SONY」などでは、もし非類似商品にその商標を使用されても「ああ、あのSONYがこんな商品を出したのか」と誤解される可能性がある。ということで、著名な登録商標を使用しない商品等に対して登録を認めて他人の信用へのただ乗りを防止する防護標章制度が規定されている(商標法64条)。例えば登録商標「SONY」について「食品」などを防護的に登録するというものである。ところで、法律は登録商標と類似ではないが指定商品等に使用すると登録商標と間違えそうな商標を保護するという規定は特にない。そのためか、使用されたくない「間違えそうな」商標を取っておこうという発想があるようで、例えばソニー株式会社では実際「リニー」や「SOMY」という「間違えそうな」商標を指定商品について登録しているのである。

弁理士 柴田 淳一