日本弁理士会東海支部は、平成22年10月21日(木)に岐阜県岐阜市で「知財支援フォーラムin岐阜」を開催することになりました。
知財活動のさらなる充実、発展が要請されている中、日本弁理士会及び日本弁理士会東海支部では、東海支部エリアにおきまして、自治体等の公的機関、団体と連携して「知財支援フォーラム」を開催して参りました、本年度につきましては、岐阜県と共催し、環境技術と知的財産を考えることをテーマに、実務的かつ専門性の高いセミナーを企画しました。
岐阜県では本年6月第30回全国豊かな海づくり大会が開かれ、森・川・海を一体とした自然環境保全の大切さを全国に向けて発信しました。また、現在愛知県においてCOP10も開催中であり、ますます環境への関心が高まっています。さらに、総理大臣を議長とする総合科学技術会議の第4期(2011~15)科学技術基本計画骨子には、自然との共生と人類の発展・経済の成長との両立を可能とするグリーン・イノベーションを推進し、世界一の環境・エネルギー大国となることが示されました。環境技術は、日本が持続的に発展していくために極めて重要な分野です。
一方、知的財産は活用されて始めて財産的価値を持ちますが、明確な知財戦略もなく権利を所得しても、技術シーズが生まれてから製品開発に進展する段階の深い谷を越えることはできません。知的財産の様々な活用方法を充分に検討し、環境技術のイノベーションにどう貢献してきたか、今後どうすべきかについて、その示唆を与えてくれるものと確信し、今回このようなフォーラムを開催することとしました。
フォーラムの講演1では、「太陽光発電の今後」と題して、国立大学法人岐阜大学教授の野々村修一氏がお話しします。太陽電池の原理、シリコン系太陽電池を中心とした性能向上のための開発状況、高寿命化への流れ、システムインテグレータ関連の最近の動向、変動電源である太陽光発電とスマートグリッド等について講演を行っていただきます。クールアース50で提言された温室効果ガス排出量を2050年までに半減するという目標実現、二酸化炭素排出量25%削減の国連演説実現のためには太陽光発電を大幅に普及させることが必要となりますが、その現状および今後について岐阜大学未来型太陽光発電システム研究センターのセンター長でもある同氏から、判りやすく説明していただけると思います。
講演2では、「三洋電機のエナジー分野における知的財産戦略」と題して、三洋電機株式会社知的財産本部本部長の藤谷泰弘氏がお話しします。グローバルでNo.1のシェアを誇る「リチウムイオン電池技術」、世界トップレベルの変換効率を誇る「太陽電池技術」を保有している三洋電機のエナジー分野における知的財産戦略についてご紹介していただきます。携帯電話やパソコン、そして電気自動車などの心臓部に使用され今後市場が急拡大すると予想されるリチウムイオン電池は、日本が最初に製品化に成功、世界を圧倒してきました。アメリカや中国などの猛追を受けても揺るぎない地位を確保するための一つの武器が知的財産戦略です。ここでは、最前線に立つ三洋電機様から非常に興味深い話が聞けると思います。
講演3では、「ミツバチがもたらす健康・その応用開発と知財戦略」と題して、アピ株式会社長良川リサーチセンター部長の荒木陽子氏がお話しします。近代養蜂発祥の地・岐阜に、創業以来103年の歴史を持つアピ。ミツバチの農産物への寄与とその神秘、長年にわたるミツバチ生産物(ハチミツ、ローヤルゼリー、プロポリス)の研究からその応用開発、知財戦略までを、実例を交えてお話しをいただきます。ハチミツの歴史は人類の歴史といわれるように、人類は新石器時代から、野生ミツバチの巣からハチミツをとっていました。エジプトの壁画には、王様にハチミツを献上している姿が描かれています。そんな古くて新しいミツバチ生産物に長年取り組まれているアピ様から貴重なお話を聞くことができる絶好の機会です。
このように様々な角度から、知財に関する価値ある情報が得られます。募集定員200名で、参加費は無料です。今回のフォーラムが知的財産関係者のみならず、経営者、技術者、研究者の皆様にいくらかでもお役に立ち、今後の事業活動の一助になれば幸いです。
より詳しい情報は日本弁理士会東海支部のホームページをご覧ください。
「日本弁理士会知財支援フォーラムin岐阜<飛山農水~環境技術と知的財産~>」
開催日時:平成22年10月21日(木)13:00~17:00(受付 正午より)
開催場所:じゅうろくプラザ 5階 大会議室(岐阜県岐阜市橋本町1丁目10番地11 TEL:058-262-0150)
アクセス:JR岐阜駅隣接 徒歩約2分
参加費:無料
13:00 開会
主催者挨拶 岐阜県商工労働部 部長 江崎 禎英 氏
日本弁理士会 副会長 松浦 喜多男 氏
13:15 【講演1】
「太陽光発電の今後」 国立大学法人 岐阜大学 教授 野々村 修一 氏
14:15 【講演2】
「三洋電機のエナジー分野における知的財産戦略」
三洋電機株式会社 知的財産本部 本部長 藤谷 泰弘 氏
15:30 【講演3】
「ミツバチがもたらす健康・その応用開発と知財戦略」
アピ株式会社 長良川リサーチセンター 部長 荒木 陽子 氏
16:30 質疑応答
17:00 閉会
日本弁理士会東海支部 岐阜県委員会
委員長 弁理士 神谷 英昭