日本弁理士会東海支部では、去る6月26日(土)に、「弁理士の日」の記念イベントを開催いたしました。このイベントは、弁理士制度が法制化された明治32年7月1日の「弁理士の日」を記念して、日本弁理士会が毎年7月1日の直近の土曜日に全国で開催しています。日本弁理士会東海支部では、今年も、午前の第一部、午後の第二部及び第三部の全三部構成でこのイベントを開催したところ、延べ196名のご参加をいただきました。イベント当日は終日天候が悪かったにもかかわらず来場者数が例年より若干少ない程度でしたので、イベントを盛況のうちに終了することができました。
今年は、大きく分けて知財セミナー1、知財セミナー2、特別セミナー、無料特許相談及びインターネット検索体験による催しの五つを柱に開催しました。
知財セミナー1
知財セミナー1では、午前の第一部として「ニセモノの上陸をストップしろ!」をメインテーマにセミナーを行いました。このセミナーでは、自社の製品を守るために、ニセモノの輸入を水際で差し止めることの必要性やそのための知的財産の活用について、名古屋税関の調査官をお招きして解説していただきました。
午後の第二部では、「改善で知財力をパワーアップしよう!」をメインテーマにセミナーを行いました。このセミナーでは、新商品の種は企業での小さな改善活動からも得られることを解説しました。
午後の第三部では、この日のメインイベントとも言える「弁理士劇団による特許紛争劇」を行いました。この劇では、みなさんに馴染み深いコンビニのおにぎりパックを題材に、知的財産に関係するトラブルがどのように発生し推移していくのかを盛り込みました。弁理士劇団は当支部の教育機関支援機構に所属する弁理士によって構成されています。同機構は普段から小学校・中学校・高等学校・大学等の教育機関に向けて知的財産の理解を深めて頂く活動をしておりますので、興味のある学校関係者の皆様はお気軽に当支部へお声かけ下さい。
知財セミナー2
知財セミナー2では、午前の第一部として「特許侵害・非侵害の分かれ目」をメインテーマにセミナーを行いました。このセミナーでは、特許侵害で警告を受けないための予備知識を知っていただくために、権利解釈の基礎的な考え方を中心として解説しました。
午後の第二部では、「東海の商標事件」をメインテーマにセミナーを行いました。このセミナーでは、東海地方の方ならどなたでも知っている商標を取り上げ、商標の適切な保護の大切さについて解説しました。
特別セミナー
特別セミナーでは、午前の第一部として「デザインパテントコンテスト」をメインテーマにセミナーを行いました。このセミナーでは、デザイン系の学生及び教職員の方々を対象として、デザインパテントコンテストに関して知っておいて頂きたい事項について解説しました。
午後の第二部では、「新人弁理士による弁理士試験合格体験談」を開催しました。この催しは、新人弁理士の最初の対外的な活動と位置付け、知的財産の世界へ足を踏み入れようとする次世代の人材へ情報を提供する機会を与えることを目的として行いました。弁理士登録したばかりの弁理士が弁理士試験合格までの体験談を発表した後も来場者が帰ることがなく、マンツーマンでの受験相談がイベント終了時間まで続きました。
無料特許相談
無料特許相談では、東海支部に所属する弁理士を相談員として、知的財産に関する具体的な相談を受け付けました。熱心な参加者と相談員とによる真剣なやりとりが見られました。
インターネット検索体験
特許電子図書館(IPDL)ではインターネットを利用して先行技術など各種の情報が無料で提供されていますが、思い通りの情報を取得するためにはある種のコツが必要になってきています。インターネット検索体験では、調査経験の豊富な弁理士が実際にパソコンを操作しながら調査のコツを伝授しました。
東海支部主催の催しへのお誘い
今回の「弁理士の日」記念イベントは、東海支部役員、ベテラン・若手がバランスよく構成された知的財産制度推進(知推)委員会、及び登録10年未満の若手で構成されたUR-10委員会に所属する弁理士を中心に運営されました。知推委員会及びUR-10委員会は、毎年秋から冬にかけて知的財産の基本から応用までをセミナー形式で解説する「休日パテントセミナー」も開催しています。これら「弁理士の日」記念イベント及び休日パテントセミナーは、東海地域における知的財産制度の普及活動として定着しつつあります。これからも、私たち日本弁理士会東海支部は東海地域における知財力の向上に努めて参りますので、日本弁理士会東海支部が開催する各種の催しへ是非ご参加ください。
日本弁理士会東海支部 UR-10委員会
委員長 弁理士 山田 強