ところで、商標には、動物の図柄や幾何図形などの図形商標もあれば、漢字やアルファベットなどの文字商標もあります。IPDLは、図形商標も文字商標も調べることができますが、今回は、簡単な文字商標の調べ方をご紹介します。
IPDLには、http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdlのURLから入ることができます。IPDLのトップページを開くと、ほぼ中央に横長の「商標検索」のボタンがあります。商標調査は、通常、この「商標検索」の画面を開いて行いますが、一定の経験・知識を必要とします。一方、「商標検索」のボタンの左には「初心者向け検索」のボタンがあります。初めて商標調査をされる方は、まず、この「初心者向け検索」をお奨めします。
以下、簡単に「初心者向け検索」の手順を記します。
1.「初心者向け検索」の画面を開き、「2 商標を検索する」をクリックすると商標を入力する画面が表示されます。
2.調べたい文字を全角で入力し、「検索実行」のボタンを押します。
3.該当する商標がない場合には、「0件でした」と表示されます。
4.該当する商標がある場合には、「○件見つかりました」と表示されます。その下にある「一覧表示」のボタンを押すと該当する商標が一覧表示されます(該当する商標が多数あって表示しきれないときは、条件を絞り込んで検索することもできます)。
5.一覧表示された商標の登録番号または出願番号をクリックすると、その商標の詳細情報が表示されます。
6.商標は、外観(見た目)が異なっても称呼(読み方)が似ていれば、互いに類似(似ている)と判断されます。例えば「弁理士」という文字は「ベンリシ」という称呼(読み方)が生じるため、漢字だけでなく、ひらがなの「べんりし」やカタカナの「ベンリシ」、ローマ字の「BENRISHI」についても調べた方が安心です。
一方、先に述べた「商標検索」の画面であれば、「ベンリシ」という称呼(読み方)をキーワードに商標検索する方法がありますので、操作方法に慣れてきたら挑戦してみるとよいでしょう。
なお、IPDLのデータベースに最新の情報が反映されるまでにはタイムラグが生じますので注意が必要です。商標調査の直前に出願された商標がIPDLに反映されるまでに、早くて1ヶ月、遅い場合は数ヶ月かかることもあります。未収録データが調査可能となった時期において再度フォローアップの調査をお奨めします。
最後に、商標調査には、IPDLを利用した調査のほかに、商標調査会社の提供するデータベースを利用した調査方法もあります。商標調査会社のデータベースは有料ですが、IPDLによる調査と併用することにより、調査の精度を上げることができます。
弁理士 伊藤 孝太郎