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新聞掲載記事

更新:2007/06/07

「弁理士の日」記念イベント2007のお知らせ

 「7月1日は何の日?」。このような質問に対して一般の方からは、海開き、山開き、プール開きという答えが返ってきそうですが、もしあなたが知財関係者なら、ここはひとつ『弁理士の日!』と答えて頂きたいところです。今から108年前(明治32年)の7月1日、現在の弁理士制度の礎となった特許代理業者制度が始まりました。

 この日はいわば「弁理士制度の誕生日」というわけですが、日本弁理士会では毎年7月1日を『弁理士の日』と定め、その直近の土曜日に全国で一斉に無料相談会を開催しています。
 日本弁理士会東海支部では、全国規模の相談会に加えてさらにセミナー等の支部独自のイベントを行い、毎年好評を得ています。今年も、弁理士及び弁理士制度をより身近に感じて頂けるような企画を用意致しました。
 それでは、今年のイベントの内容についてご紹介します。

(1)イベントの「定番商品」である、『無料特許相談会&インターネット検索体験』
 知的財産に関してお困り事がある方は、この相談会をご利用下さい。当支部所属の経験豊富な弁理士が問題の解決に向けて適切なアドバイスを致します。困り事というわけではないけれど、弁理士に対して色々と質問してみたいという方でも結構です。また、インターネットによる特許電子図書館(IPDL)検索が可能な端末については、各相談ブース及び別の部屋の両方に設置してあります。IPDL検索は、覚えてしまえば意外と簡単なので、この機会に一度体験してみて下さい。

(2)何といっても今年のイベントの「目玉商品」は、当支部の弁理士劇団による寸劇で、題して『教えましょう!アイデアを早く確実に権利化する秘訣』です。
 自己の発明や考案を早期に保護したいというニーズは中小企業などにおいて特に強く、実際の相談でもよく出る話題のひとつです。どの法域で出願すべき?、書類はどう書くの?、権利化までの費用はいくら?、などの話題を織り交ぜ、模擬特許面談の形式でわかりやすく進めていきます。この寸劇では、日頃書類の作成ばかりでその才能を隠している弁理士劇団員の名演技(迷演技?)が見られるかもしれませんので、乞うご期待。知的財産について全くの初心者の方から上級者の方まで、気軽に観て楽しめる知的エンターテイメントを目指します。

(3)「他社と共同で技術開発をしたい」あるいは「他社とライセンス契約を結びたい」といった場合に注意すべきポイントがよくわからない。
 このような問題をお持ちの方には、知的財産セミナー『その手は桑名の焼蛤~知財契約の抜け道』がお勧めです。共同開発、実施許諾、秘密保持などにおいては契約が必要になりますが、それぞれのケースでの「契約の落とし穴」的な事例を紹介しつつ、知的財産に関するリスク管理のコツについてお話する予定です。

(4)「どんな発明が特許になるのか良くわからない」、「良い発明をなかなか創出できない」、「もっと特許制度を理解して研究開発活動に役立てたい」
 という技術者及び研究者の皆さんには、知財セミナー『ここにもあった発明が!発明発掘-特許出願-特許活用までの流れ~技術者・研究者のための初歩特許講座~』がお勧めです。
 これまでにも特許制度の概説を行う初歩的な講座はいろいろありましたが、本セミナーでは、開発・研究の最前線にいる技術者・研究者の方々をメインの対象者とし、その視点に立って最低限の知識として必要とされる内容を厳選致しました。
 発明者として何件も特許出願をした実績のあるベテランの技術者・研究者の方であっても、特許に関して意外に誤解をされていることが少なくありません。競争相手より一歩先に行くためにも、是非本セミナーに参加して正しい特許の知識を身につけて下さい。

(5)本年度から始まった小売役務等商標制度に興味のある方は、知財セミナー『小売役務等商標制度「今から小売等役務の商標登録出願をする方へのアドバイス」』がお勧めです。
 このたび、小売サービスでも商標権が取得できるようになりましたが、その出願の際の注意ポイントなどを商標実務に精通した弁理士がわかりやすく解説致します。

(6)中小・ベンチャー企業の経営者や知財担当者の方には、知財セミナー『~なぜ特許出願するの?(中小企業の知財戦略的経営のために)~』がお勧めです。
 “ものづくり王国”である当地域は大企業だけで成り立っているわけではなく、数多くの中小企業の下支えによって成り立っています。王国のさらなる発展のためには、戦略的な経営ができる程度まで中小企業が特許制度を理解し、これを上手く活用していくことが望まれます。本セミナーでは、特許出願をする意義について解説するとともに、中小企業にとって経営上に役立つ情報を提示していく予定です。

 以上ご紹介した『弁理士の日』記念イベントは、6月30日(土)の10時より(16時まで)、名古屋商工会議所ビルの3階・第1~第6会議室にて行います。名古屋商工会議所ビルは、白川公園の北側で、地下鉄伏見駅5番出口より南へ徒歩5分です(名古屋市中区栄2-10-19)。
 なお、当支部のエリア内では、愛知以外にも岐阜、三重、静岡、長野で同時に無料特許相談会を実施します。詳細は当支部のホームページをご覧下さい。


日本弁理士会東海支部 知的財産権制度推進委員会
委員長 弁理士 渥美 久彦