「自然科学体験」のコーナーでは、毎年、身近な材料を用いた簡単な工作を通じて、「なぜ動くんだろう?」あるいは「どうしてうまく動かないんだろう?」などと、考えたり試行錯誤したりすることで、自然科学現象を身近に体験し、ものづくりの楽しさや難しさを実感していただくことを意図して、企画・運営しております。
一つ目の「圧電素子ライト」では、スチールボール入りのフィルムケースの底に電子ブザーを貼り付け、この電子ブザーと2個の発光ダイオードとを配線する、という工作をしていただきました。
この工作では、互い違いに並列配置した2個の発光ダイオードの端子(足)同士の接続(ねじり)をラジオペンチで行う最初の工程が最も難関で、この部分は指導員や保護者の方のヘルプが必要でしたが、ここがうまく行けば後は簡単で、小さい子から或る程度大きな子まで、ほぼ失敗なくライトを完成させることができたようです。
「電池がないのになぜ光るの?」という疑問は、子供たちだけでなく、保護者の方もお持ちのようでしたが、作り方説明書の一角に圧電素子の構造・原理説明を入れておきましたので、参考になったのではないでしょうか。
二つ目の「君には見えるか 合体ピクチャー!」では、5cm角程度の大きさの正方形の厚紙のオモテ面に絵を描き、同じ形状の薄紙をその上から重ねて、厚紙の絵を透かして見ながら、厚紙の絵と合体させたい絵を薄紙の方に描き、その後に厚紙のウラ面に薄紙を貼り付ける、という工作をしていただきました。
出来上がったものを「くるくる」回すと絵が「合体」して見える様子に、子供たちは大変驚き、また楽しんでいるようでした。さらに、お好みに応じて、厚紙と薄紙との間に竹串を挟むことで、より回しやすくなるような工夫もしてもらいました。正方形の厚紙の向かい合う角を親指と人差し指とで軽くつまんで息を吹きかけることで回転させることを想定していましたが、小さな子には、この竹串バージョンの方が好評であったようです。
三つ目の「とことこペンギン」では、短く切ったストロー片の中に輪ゴムを通し、ストロー片の真ん中をホチキス止めすることで平らにつぶし、輪ゴムの両端を紙コップの口に止め、ストロー片の平らにつぶした所に粘土の玉を付けて車輪を作り、最後に紙コップの外側に、ペンギンの絵を描いた紙を貼り付けてもらう、という工作をしていただきました。
ストロー片と輪ゴムとから車軸を作って紙コップの口に止める部分は、手先の器用さがないと結構難しく、またホッチキス針で怪我をしないように保護する必要もあり、指導員や保護者の方のヘルプが必要でしたが、ペンギンの絵を描いた紙を紙コップに貼り付ける工程では、子供によって貼り付ける位置(高さ)が異なり、背の低いかわいらしいペンギンや、背の高い立派なペンギンなど、個性豊かなペンギンがたくさん生まれました。また、「とことこ」歩く姿は大変かわいらしく、大好評でした。
四つ目の「プラコップヘリコプター」では、プラスチックコップを4等分するように縦に切れ目を入れて横に広げることで作ったプロペラを2枚用意し、伸ばしたクリップでフック付きの軸を作って各プロペラに貼り付け、輪ゴムを一方のプロペラ側のフックに引っかけてストローに通して他方のプロペラのフックに引っかける、という工作をしていただきました。
なお、プロペラは、2枚ずつ間引いて「2枚羽」としました。うまく出来るとかなりの高さまで飛び、まあまあの出来でも目の高さぐらいに数秒浮遊し、喜んでもらえました。なかなかうまく出来なくて寂しそうな顔をしている子も中にはいましたが、指導員が「修理」して「そこそこ」飛ぶようになると、笑顔に変わり、ほっと胸をなで下ろしました。
その他、木製の板で作った恐竜の体とモータ等の可動部とを含むキットを使った「工作教室 歩く恐竜を作ろう!」や、「発明クイズラリー」、「アイデアコンテスト作品展」等の、特許庁・中部経済産業局等の企画・運営によるイベントや、当支部の正副支部長による「発明なんでも相談会」等、多くのイベントが催され、ほぼ一日中大盛況でした。
日本弁理士会東海支部 前年度知的財産権制度推進委員会
委員長 弁理士 田辺 政一
委員長 弁理士 田辺 政一